このQuodlibet とは「ごたまぜ」、「寄せ集め」とか、「メドレー」という意味のドイツ語です。
過去の Quodlibet: 2004年 12月

1つのコンサートでロータリーとピストンを持ち替えるとなると、問題はマウスピースの選択。同じトランペットでありながら、吹奏感はずいぶん異なりますし、それぞれの楽器の特性を生かそうとすると、同じマウスピースで吹き分ける、というのはどうしてもムリがあります。

最近まで私がとろうとしていた作戦は、唇のあたるリム部分が同じで、カップの形状だけが異なるマウスピースを使う、という作戦でした。具体的に言うと、YAMAHAの15C4という標準的なカップ形状をBachのタテラッパに使う。ロータリーであるSchagerlには、YAMAHAの15E4を使う、というものでした。

言わば適材適所を狙ったつもりなのですが、この作戦、あんまり調子がよくなかったのです。特に、Bach/15C4の組み合わせは、高音域になるとカチンカチンの固い音になってしまって、吹いていてものすごく疲れる。YAMAHAの15番のマウスピースは、リム部分の当たりがフラットで、割合に疲れにくくて好きなマウスピースだったのですが、楽器との組み合わせの問題なのか、これはキツイ。どうしようかな...と思っていたところに、意外な作戦が...。

意外、というよりも正攻法なのでしょうが、Bachの楽器にBachのマウスピース 1C を付けてみる、というもの。これは、私が学生時代にずっと使っていた組み合わせなのですが、大きなマウスピースだけあって、バテも早かった。それに高い音を出すのもキツカッタ。私では吹ききれないな、と思い、さらに練習時間が確保出来ない今となっては、吹く事はないだろうと半ば封印したマウスピースだったのです。

ところが、何気なく取り出して6年ぶり(?)に吹いてみたら、意外にも吹きやすかったし、ロータリーを吹くのと、それほど違和感もなかった。高音域も、Bach/15C4で感じたような寸づまり感がなく、ラクでした。これにはビックリ。

なんで?、という理由は説明出来ませんが、若かりし頃、1Cを使っていた時の吹き方と、今の吹き方がずいぶん違っていて、かつてのように口の周りの力だけでねじ伏せるような吹き方を止めたのがプラスに働いているのではないかと。昔の感触、先入観、というのはアテにならないものですね。結局は、2つのマウスピースを使うとき、物理的な寸法を揃えるよりも、吹奏感を揃える方が、ムリが少ない、ということなのかもしれません。(2004/12/19)


某所で楽器を吹く事になりそう、という話。実は出身校の恒例行事のニューイヤーコンサートで吹く事になりました。それで、先週は楽器を担いで(実家を通り越して)久しぶりの母校訪問。久しぶりで合奏に混じってきました。

楽譜は前もってもらっておいたのですが、不勉強なもので曲がよくわからない。担当するのはポップスと、カルメン組曲。カルメンは良いとして、ポップスは...ねぇ...。とにもかくにも雰囲気を知りたいと思って、譜読みもそこそこの状態なのに出かけてきたという次第。結果は、臨調は落としまくる、リズムには乗れない、転調しそこねる、などなど、いやはやなんとも。ポップスは、吹いていないと、楽譜すら読めなくなりますな。これからデモCDを聞いて復習します。がくっ。

今の現役の学生さんとは、3年前(?)のOBを交えた演奏の企画で「春の猟犬」を一緒に吹いたきりだったのですが、学生さんは覚えてくれていたみたいで、それで私に矢が飛んできた、ということらしい。(本当は裏に役者さんがおられるようですが...)。それでも呼んでくれたのは嬉しいですね。なにより嬉しいのは、当時1年生だった彼らが、立派に成長してきているということ。それこそ、私の助っ人なんて、いらないのでは?、と思うほど。考えてみれば、年齢なんてダブルスコアほど違うのですが、見た目は別として、聞いている人に違和感が感じられないように頑張らなければ。(見た目と言えば、タテにするかヨコにするか、も問題ですが...。タテ、でしょうなぁ、やっぱり)

オーケストラ・スタディー行脚中のレッスン。「楽な選曲にする」ということで、今回は「運命の力」序曲に挑戦。音域的にはさほどキツクはないけれど、なにしろ、in E を読み替えなので、口はともかく、頭が疲れました。コーダの所で、Tp+Tbで分散和音をフォルテで吹くところは、降りた音で唇を緩めすぎると、音がハッキリしなくなるので、却って息を抑えて緩まないように気をつけるということ。これも、前々から言われていることなのですが、つい、すべての音を同じ強さで吹こうとするクセの表れなのでしょうね。クセは付きやすく、取れ難し。(2004/12/12)