このQuodlibet とは「ごたまぜ」、「寄せ集め」とか、「メドレー」という意味のドイツ語です。
過去の Quodlibet: 2004年 3月
突然ですが、出張先のベルギーからです。今回 は1週間ほどの滞在で、ブリュッセルにきております。今日は日曜日(ということは仕事はオフだ!)ということで、街中を歩いてきました。

3月中旬のブリュッセルはまだ少し寒いようです。しかも風が強い。まるで私が住むT橋市のよう。晴れたり、曇ったり、雨がパラついたりして、ベストとは言 えませんが、歩き回るには差し支えない程度でした。まぁ、遊びにきたわけではないので、文句を言ってはいけませんな。

写真は、ブリュッセルの中心、グランプラスにある市庁舎です。町の中でも抜きん出て高い建物で、街のどこに居てもよく目立ちます。あちこちを見渡すと、建 物の壁には彫像が彫ってあったり、塔のてっぺんには、ラッパを吹く人の像があったり、まぁ、とにかく凝ってます。当時の、いわゆるとび職の人が作ったので しょうけれど、よく作ったものですねぇ。


さてさて、ヨーロッパの街に着いたからにはコンサート情報を集めて、コンサートに出かけるというのは定石。たまたまベルギー国立管弦楽団のコンサートが あったので、見てきました。この日は、R.シュトラウスの「ドンファン」、モーツァルトのピアノ協奏曲21番、そしてドヴォルザークの「新世界」という、 まるで名曲コンサートみたいなプログラムでした。

名曲プログラムだけあって、1500席はあるだろう客席はほぼ満席。メジャープログラムの集客率が高いのは、洋の東西は問わず、というところでしょうか。 私たちの前の席にすわるマダム達が、曲間にキャンディーを配りはじめ、みんなでカサカサやっていたのは笑えました。

写真は新世界が始まる直前に、ステージ上でセクション練習をしているところ。第2楽章のアングレのソロが終わったあとのキメのところの音程が気になってい たようで、かなり本気で合わせてました。最初はオーボエ、フルートだけだったのに、クラリネットのおじさんが無言で参戦、そのうちホルン首席がそこに加 わって俄然、ヒートアップ(?)。(でもこのホルンは上手かった! 4楽章のソロも、事も無げに吹ききってました)。

オケ全体としては、アンサブルの精度は高くなくて、あちこちズレまくってました(笑)。こういうところはドイツ語圏のオケの方がキッチリ作るのはうまいか もしれません。個人技でいくと、ラッパ、ホルンの首席はさすが。発音も美しいし、安心して聞けました。そんな中でもピカイチだったのはオーボエ。ドンファ ンのソロも、モーツァルトも、このこの人が吹くと別世界が広がって、夢見心地にさせてくれました。音程がどうとか、発音がどうとか、そういう次元を越えて しまう人って、いるんですねぇ。

そしてこの日のおまけ。コンサート後に夕食を とったあと、酔い覚ましに街をブラブラしていたら、モネ劇場(写真の右のほう)のとなりに、なにやら見慣れた文字が。(というか、この写真はSさん向 け?) 街中で日本企業の看板や製品が使われているのを見ると、妙に安心します。この旅行記、まだ続く? (2004/3/14)