このQuodlibet とは「ごたまぜ」、「寄せ集め」とか、「メドレー」という意味のドイツ語です。
過去の Quodlibet: 2002年 7月

整体に行って来ました。忙しさにかまけて、自分の体のケアをしていなかったためか、ある日、首が回らなくなっちゃいました。真っ昼間、ちょっと忘れ物を取りに行こうと思って、廊下を小走りに走りかけた瞬間、首筋にビキっとね、痛みが走りましてな。いやぁ、もう、痛いのなんの。もう、その日いっぱい仕事にならず。翌日になっても痛みが引かないので、窮余の一策、整体に駆け込んだという次第。

整体の先生の話だと、私の体は「左右のバランスが崩れている」、「肩のコリがひどい」、「これなら神経を圧迫しているかもしれない」とのこと。要するに、これは「酷い」、と。これらは全部、思い当たるフシはアリ。お恥ずかしい事に、どうやら不眠症というヤツにもかかっているようで、体は疲れているのに、夜中に必ず目が覚めるのですよ。眠っていても、凄く眠りが浅くてちっとも休んだ気がしないし。(あ、今は大丈夫になったのでご安心を)。実際、休みたいのに休めないってのは辛いです。昼間はボケェーっとして仕事にならないし。

そんなこんなで「相当に酷い」体を揉んでもらって来ました。揉んでもらった、というよりは、激痛に悶絶していたという方が正鵠を得ていると思いますが。先生曰く、首の筋をつってしまったのも、体の歪みが積み重なっていて、それが首に現れたのだとか。はぁ、疲れても寝れば直ると思っていたけど、眠れない状態が続けば、どこかで破綻がくるのはもっともな話。そう納得しつつも、ちょっとショックだったのは、今回、自分の体にある種の「カタストロフィ」が来たワケで、こういう現実というのは認めたくないですね。2回の治療で、とりあえず首は回るようになりましたし、夜も眠れるようになりました。やれやれ、です。しばらくは生活のペース優先で仕事をすることにしようと思います。みなさんもお体は大切に。(2002/7/22)


身内の話なので、ここに書くのはふさわしくないような気がしますが、うちのパートは、あまり音程がよろしくないのです。全体合奏の時、みんなでBbの音を出すと、合っていない事が多いのです。恥ずかしい話ですが、合っていることの方が珍しい。

実際のところ、トランペットの音程がずれる要因というのは、大きく2つ考えられます。1つは、吹き疲れてしまって制御不能になって、本来出るべき音程がキープできなくなるフィジカルな問題。もう1つは、弱気になったりすると、体の特にノドの周辺に力が入ってピッチが狂う(大抵、高くなる)メンタルな問題。前者は、どうしようもないのですが、後者の方は?

1つ有効ではないかと思う練習は、Bb以外の音で音程を合わせる練習をすること。それも、予め、「Fで合わせましょう」、というような予告をしないで、誰かが適当に選んで吹いた音を聞いて、その音をマネして入るようにする練習です。この練習のねらいは、もちろん音感を鍛えることではありますが、もっと重要な所は、他から聞こえてくる楽器の音を、一度体に入れてから、自分の楽器で表現する、というプロセスを取ることです。これは80年代、懐かしのバンドピープル誌に、アメリカのスクールバンドで取り入れている遊び練習として紹介もされていました。

この練習の難点は、音を間違えると恥ずかしい、という点。「音を間違えたらどうしよう」、という恥ずかしい気持ちが先に出てしまって、ショボイ音しか出てこないかもしれない。確かに、その気持ちも分かる。だって、音を間違えたら、そりゃ恥ずかしいから。そこは工夫次第ではないでしょうか。例えば、「B-dur のどれかの音しか出さない(シャープ、フラットはつけない)」とか、「ド、ミ、ソ、のどれか1つの音しか出さない」とか、「ファの音で合わせようとしたら、ドレミファー、のように音階で上がって(あるいは下がって)から目標の音を伸ばすようにする」という条件を付けておけば、ある程度安心して練習できるのではないでしょうか。合奏では、絶対音感よりも、相対音感があることのほうが重要な場面が多いので。

自分の中に音がある、というのは、先に書いたメンタルな問題を解決する上で重要な要素だと思います。フォルテで吹くとピッチが合いやすい、というのは、フォルテで吹いたときの強烈な印象が体の中に埋まっているからではないでしょうか? (それと、ノドに力が入っていると、フォルテの音を出しにくい、ということもプラスに働いているとは思いますが)。ピアノの場合は、印象が弱い、という先入観があることと、カスったらどうしようという不安が、余計にノドに力を入れさせているために、へんてこりんなピッチになるか、カスミッシモになるかどちらか。安心して音を出せるようになれば、豊かなピアノを鳴らせるようにもなると思うのですが、いかがでしょう。(2002/7/7)