講座で使用するハドロサウルスの頭骨縫合線。およびそこから見える科学
ハドロサウルスの頭骨の(暫定的な)パーツ割り 脊椎動物の頭骨は私達も含めて幾つかの骨が組み合わさってできています。化石は生物の遺体が地下に埋もれて鉱物で置き換わるなどしたものです。そういう意味では厳密に”骨”と同じものではありません。しかし、本来の骨が持っていた”形”などといった情報は残っています。
しかし、遺体が骨になる時、骨が埋まる時、埋まった骨が地層の中で受ける圧力、これらによって化石はもとの形からつぶれ、骨の位置はズレ、ひびが入ります。つまり本来の情報が失われるわけですね。
この頭骨はレプリカです。このレプリカのもとになったオリジナルの骨は保存が非常によかったのですが、それなりに壊れています。実際、一部の骨に?がついているのはそのためです。化石によっては縫合線と割れ目の区別すら見極めるのが難しくなっています。
では、この骨にはどんな情報が残っているのでしょう?。 ハドロサウルスは恐竜の中でもオルニスキア、つまり鳥盤類と呼ばれる系統に属します。動物がどの系統に属するのか?。それは身体の特徴を見ることで判断することができます。
以上の画像で示したのは、オルニスキアに所属する動物に見られる特徴です。さらに詳しく見ると、この動物がオルニスキアの中でもオルニソポーダ、それも派生的な系統であることが分かります。つまり、この頭骨にはこういう情報が残っているわけです。
これらの特徴が具体的にはいかなるものなのか?。
参考:The Dinosauria