ティラノサウルスのペーパークラフト解説
5月の恐竜学講座で配付して受講生の方々に作ってもらったティラノサウルスのペーパークラフトです。まあ、そんなたいしたもんじゃないですが、これがあるだけでも、平面の頭骨図しかない状態よりはずっと話がしやすいですね。
ちなみに、大きさは手のひらにのっかる程度です。もちろん原画は北村が描きました。ちょっとこのペーパークラフトで説明すると、例えばななめ後ろから見て、そこにある骨に注目してみましょう。
Quadratojugal:クアドレートジャーガル
Quadrate:クアドレート
Paroccipital process:パロシピタル プロセス
クアドレートとは下顎の骨と関節する骨です。ティラノサウルスのような肉食恐竜とアパトサウルスのような竜脚類はこのクアドレートの外側にクアドレートジャーガルという別の骨が覆い被さっているという特徴があります。これは竜盤類の特徴ですね。
クアドレートジャーガルとクアドレートの間に黒い丸があります。これは穴をあらわしているのですが、この穴が比較的大きいのはティラノサウルスと鳥に共通するであろう特徴です。北村の著作、「恐竜と遊ぼう」ではこの特徴を、鳥とティラノサウルスが共通の祖先から受け継いだ特徴であるとして扱いました。
画面上に示された、パロシピタル プロセスは後頭部のまん中から外側に向かってはり出している突起です。ティラノサウルスでは何の変哲もない普通の形。アロサウルスと比較したらまた面白い話になるでしょう。
次回、6月にはアロサウルスを配付したい予定・・・・・・・・。
でもって、上から見るとこうなります。
Frontal:フロンタル
フロンタル、ここでは左側(画面では右側)のみを黄色で示しました。この骨が前後よりも左右に大きいのがティラノサウルスやティラノに系統が近い動物の特徴ですね。ゴルゴサウルスではフロンタルはもう少し前後に長い形です。
また、ティラノサウルスの眼(Eye)がまるで前方を向くようになっていることに御注目。この特徴もティラノサウルスに類縁が非常に深い動物で見られる特徴です。
このペーパークラフトではもう少し色々話ができそうです。ともあれ、詳細は講座にて。