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 その日の彼等は、もうどうしようもないほど酔っていたので、話題は酷く抑制を欠き、幾度となく際どい所を低空飛行した。
 「性的な初体験」というシリウス好みの話を彼が目を輝かせて始めた時も、普段なら手品師のような手際で見事に話題を変えるルーピンであるが、であるからしてにこにこと笑って鷹揚に相手をした。
 別寮年上女生徒との想い出を情感たっぷりに語った後、シリウスはルーピンに「お前の場合はどうだった?」と尋ねる。
「何が何だか分からないうちに済んでいた」
 と彼は答えた。答えが返ってくるとは思っていなかったシリウスは、しばらく沈黙し、とってつけたようにその後笑った。
「良かったか?」
「いいも悪いも、ともかく緊張していたからね」
 虚勢を張ってした踏み込んだ質問にもあっさりと答えられ、「美人か?」という問いに「うん」という返事がされるに至って、とうとうシリウスはそれがあまり紳士的ではなくどちらかと言えば品性下劣な行為であると明らかに理解した恥じ入った表情で聞いた。
「相手は誰だったんだ?俺の知っている女子か?」
 そう言われたルーピンは、なんだ話が通じていなかったのかと言いた気な、きょとんとした表情で2秒ほど黙って、そして答えた。
「君だよ」
 それを聞いたシリウスは、頭が揺れるほど酔っていたにもかかわらず椅子から立ち上がり、友人に深く詫びたのだった。





頭いてー!!(最大フォント)
酔っ払っては いちゃつき
生き埋めになっては いちゃつき
強制捜査中にも いちゃつき
お前等は人生の10割をいちゃついて
生きるつもりかと!!

でもさすがに翌日は気まずくて
目を合わせられなかったと思いますけど。

タイトルをつけるなら
「正直スマンかったリーマス」
Im sorry Remus, Sirius said.
2005/01/10

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