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 平らかな彼の肌に口付けていると、一体そこが胸なのか腹なのか下腹部なのか分からなくなるときがリーマスにはある。小刻みに上下を繰り返す彼の肌。
「人間の表面というものは思っていたよりずっと広大だ」
 その新発見について唯一の友人に教えたくなるのだが、大抵の場合シリウスは受け答えできる状態では、残念ながらない。
 時間は夜と朝の丁度中間。
 闇の中の人の肌はざらざらと不思議な光を放って、リーマスに砂漠や滑らかな川の流れやその他色々な物を連想させる。
 あまりに心地よく気怠いので、彼はそのまま眠り込みたくなる。渇いて死んだ犬のように舌を出したまま。
 ぬるい微風を背に受けながら彼は、春とセックスと死と幸福について考える。





春なのでボエってみました。ハ ズ カ シ ー 。
人がこの行為に没頭するのは、少なくともこうしている間は
頭の中が2人同じ状態になれるからという理由も
(通常では同じ気持ちになるのは難しいし、
相手が真実何を考えているかなんて知りようがない)
あると思うのですが、先生は受でも攻でも
不感感覚が薄いために頭の中はあちこち飛びがち。
絶え入りそうなシリウスを見て、「親鳥を待っている雛みたいだな。可愛いな」とか
「もうすこし髪を整えさせないといけないな」とか考えてそう。
2004/04/20

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