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「そうそう、私はずっと考えていたんだ」
 ふと思い出したようにリーマスは顔を上げた。彼の話はいつもこのように唐突に始まり、大抵は唐突に終わるのだった。主に話し相手を務めるシリウスは、台風を受け流す柳のようにそれを拝聴する。「随分と前、酔った君が時々持ち出した話題。私が君を愛していないとか、例えばジェームズやピーターとも同じベッドで眠る関係になったのではないかとか、それと何だっけ……ああ、君が出て行っても私が追わないとかいう問題について」
「・・・・・・・」
 その話題は確かにここ数年、彼等の間で何度も繰り返されている。あまり明るいとは言えない話だった。特にリーマスの側にとっては。心の内を吐き出すシリウスを、言葉もなく少し哀しそうに見ているのが常だった。
 しかし今の彼はとても穏やかな顔をしている。暗がりの中、クリーム色の肌と主張のない優しい髪の色をした友人の姿は油彩画のようで、シリウスはぼんやりと言葉を失う。
 草食動物のような印象の瞳が、ゆるりと動いてシリウスを見た。
「まあ、そう……。もしかするとジェームズやピーターともそうなったかもしれない。それは否定しない。でも君だって条件は同じだろう?」
「・・・・・・・」
「それに」
 リーマスは笑った。宗教画の聖者や、殉教者をシリウスは連想する。人間的な思考が出来たのはそれが最後だった。
「多分ジェームズやピーターに、こういうことはしなかったと思うな。私は」
 シーツが鳴って、シリウスは声を上げる。
「思うに君はちょっと私の好みなんだよ」
 シリウスは請うようにリーマスを見上げたが、彼は首を振る。代わりに優しい口付けが額に落とされた。意味をなさない言葉と息遣いだけがしばらく続く。
「それとね、いま君の新しい恋人が部屋に入ってきても私はこのまま続けるし、いま君が家を出て行こうとしても逃がさないよ」
 シリウスは反論できる状態ではなかった。そしてリーマスが「話し合い」に選んだ時間は、まったく正しいタイミングだったようである。



お前は俺を愛していない話。
あれが妙に友人の悲しいツボに当たったらしく
私が代理で仕置きされそうな勢いだったため急遽解決編を。
(あの後すぐにこれを書きましたよええ)
シリウスさんの代理で仕置きされるなんて真っ平御免です。
あれから何年か時間は経過してます。
その間、2人はまったりと苦しみまわった模様。
しかしどうもこの話し合い方からして、さすがの
先生も少しだけ腹が立っていたみたいですね(笑)
分かり易く言いますと
「私は確かに誰と組み合わさっても受かもしれないが
攻をやってもいいと思うのは君だけだよシリウス」
という感じで(えー!?)いや、リバでなかったら
解決できないところでしたよ危なかった。
それにしたって、これで納得するシリウスもクレイジーだ。

解決編を待っておられた方、こんなで済みません。
2003/06/05



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