125 「以前から何度も言っていたけれど、シリウスもうそろそろ本気で検討してくれなければならない。またそうやって話を逸らそうとする。何の話だか分かっているね。アルコールの事だ。 君とこの家で一緒に飲むのは確かにとても楽しい。酔って馬鹿な話をする君は子供っぽくて懐かしい感じがするし、突然妙な遊びを始めるのも面白い。けれど私達の消費しているあのアルコールの量。あれは私達のような年齢の者には相応しいとは言えない。医者なら眉をしかめるだろう。翌日体調の優れないことが段々多くなってきているだろう?そんな顔をしても駄目だ。この前に旅行した時もハリーに叱られたじゃないか。 おや、犬になったね。その姿ならお目こぼししてもらえると思ってるのかな?いいや、駄目駄目。正気をなくして2人並んで裸踊りを始める前に、もういい加減私達は分別を身につけなければ。 おっと、肉球パンチかい?可愛いね。 でもね、シリウス。私達はあまり有意義とは言えない青年期を過ごしたのだから、これからは元気で楽しく暮らしたい。君と一緒にずっと健康で。私は何か間違ったことを言っているかい?……よしよし良い子だ。じゃあ人の姿に戻って……」 (物音) (沈黙) 「……あの……ルーピン教授……じゃなくてリーマス、あいや先生。今日ほど予告なしにあちこちの暖炉を行き来する自分の癖を悔いたことはないです。ほんと、その、ごめんなさい。今日からはもうしません。それと勿論先生がシリウス説得の特訓をこっそり1人で行っていたことは秘密にします。僕の記憶から抹消もします。そうだ、なかったことにしましょう。僕はここに来なかった。いいですね、先生。そうしましょう。お互いのためです。それじゃあまた。続けてください。お元気で。本当にごめんなさい」 「・・・・・・」 本番行為以外の あらゆる出来事を目撃しまくる青年ハリー。 この家の市原悦子。 先生は小さな声でぶつぶつ言っていた程度だと思います。 (そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに……) いままでパッドフットのお色気作戦に 何回か負けた苦い思い出があるのでしょう。(笑) 2006.03.02 BACK |