heavenly morning 両の手で私の身体のあちこちに悪戯をしながら、シリウスは鼻やまぶたや耳元に口付けをするのに熱中している。髪の中を舌が分け入って、頭皮にもキスが降ってくる。彼がふざけて耳朶を舐めるぺちゃぺちゃという音がして、上にいるのがパッドフットのようにも思える。 朝だった。とてつもなく長い時間眠ったらしく、日はもう高い。 自分が起きているのか起きていないのかよく分からないまま、私は彼を抱きしめた。ふさふさした毛皮の手触りがないので、やはりこれは人間のシリウスだと知る。 「おはよう。何をしているのかな?」 とりあえず無作法にも寝巻きの中にまで入っている彼の手を掴んで放り出したいのだが、残念ながら私の両手はまだ完全に覚醒しておらず握力がない。 「おはようのキスをしている」 彼は王の中の王のように堂々と、清らかに笑った。 「君の国のおはようのキスは随分と濃厚だ。私の知るものとは違うね」 彼はそれに答えず、左手が実にさりげなく下の方へおりていった。昨夜に私の声をさんざん搾り取った、同じ動きを彼の左手はしてみせる。かすかに私が震えたので、かさりと枕が鳴った。 「……するのかな?」 できるだけ失礼な態度にならぬよう、溜息などつかぬようにして尋ねてみた。彼はさも心外だと言わんばかりに目を丸くする。 「こんな爽やかな朝に?」 私は目を閉じ顔を傾けた。そして反射的に唇を寄せてきた彼の、形のいい鼻に軽く噛み付く。 「放して下さいルーピン先生」 「君のような破廉恥な生徒は放校だ」 「そんなにきつく噛まれては、クリスマスの夜にサンタのソリを引かなくてはならなくなる!」 私が吹き出したのでシリウスは私の歯から逃れ、前のボタンを1つはずした。 「おはようのキスの残り部分をしたい気分になってきたか?」 「私の知っているおはようのキスならもう終わっている」 彼の右足があくまでスマートに割り入ってきて、背には腕が回される。 「もちろんお前が一言命じれば、俺はそれ以上指一本だって触れないが」 「じゃあ今私の内股を撫で回しているのは誰の手だ」 「まだ命じられてない」 「そうだろうとも」 「で?どうする」 「どうするって……」 もはや寝巻きを着ているかどうか微妙な格好にしておいてどうするも何もあったものではない。それでなくとも寝起きは頭が回らない。彼はそんな私を好きなだけいじくり回すが、気持ちがいいような、単に幸福なような不思議な感覚がする。明るくて暖かい場所に美しい人がいて、まるで天国のようだ。 私は両手を伸ばして彼の頬を包み、ぼんやりとつぶやく。 「ああ、明るいところで見るとハンサムだね君は」 「?分かりにくいがお前なりの誘いか?」 「違う。夜に比べてよく見えるという意味だ」 「お前のお気に召したのなら幸いだ」 「これでおはようのキスが短ければもっと魅力的なんだけど」 「呼吸が速くなってきたようだが、返事はまだか?」 「どうかな」 「汗も浮いてきた」 「悪い夢を見たのかも」 「それと……」 「分かった。もういい」 2人とも視線が何とはなしに下りた。そして目が合う。 「では、おはようのキスの続きをしようかリーマス」 「そうだね。どんな続きか興味がなくはない」 私は仕方なしにそう言う。 何しろ明るいので。 夜とは違ってよく見えるのだ。彼のハンサムな顔や、勿論それ以外も色々と。 きおんがさがってくるとあたまのなかがすっきりしてきてようやく なにかかきたいことがかきたいままかけるようなきがします きのせいですけどねへへへ きおんがさがってくるとあたたかげなものがかきたくなりますね あたたかいもののなかではにんげんのたいおんがいちばんすきです (一気読み)。 あと、せんせいにしてはねおきがいい。つかれて10じかんくらいねたのでしょう 最初はボエム予定でしたが、悩んでこちらへ入れました。 2005/11/07 BACK |