戦士の休息
「もうそろそろOKしてくれてもいいんじゃないか?」
「何の話だっけ?」
「俺達の関係の話」
「ああ、あれね。まあ確かに私も君が好きなんだけど……」
「何か問題でもあるのか?」
「私達はスーパーヒーロー同士じゃないか」
「そうだな」
「スーパーヒーロー同士の交際は大変だよ。ジェームズマンとリリーウーマンがそうだったけど。もし2人で会っている時、ピンチの人に呼ばれたらどうするんだい」
「2人で手をつないで飛んでいくさ」
「……なんだか遠慮したい案だな。それに喧嘩になっても大変だ。何しろ君は怪力の持ち主だし」
「お前に向かって暴力など振るうものか」
「必殺技も使わない?」
「当たり前だ」
「黒牙双炎拳も?」
「ああ。冥暗咆哮斬も怒涛眼光雷波も使わない。お前こそどうなんだ。俺に自慢のパンチを食らわせたりするんじゃないか?」
「私はそんな事しないよ」
「ルーピンキックも?」
「もちろん」
「ルーピンチョップも?」
「使わないよ」
「ルーピンイヤーは?」
「聞かれちゃまずい事でもあるのかな?」
「いや、なんとなく。……なあ、前々から思っていたがお前の技の名前はシンプルすぎないか?」
「これくらいが丁度いいんだよ。君の技の名前がくどすぎるんだ」
「そうだろうか……」
(シリウスマンを呼ぶ声)
「君を呼んでる」
「口説いている途中だが、ちょっと行ってくる」
「口説かれていたのか!」
「……あれ?おい、俺のコスチュームは?」
「さっき洗濯したよ。庭に干してある」
「・・・・・・」
「え?君、予備のコスチュームは?」
「そんなものはない。仕方ないな。水着で行ってくる」
「なんだか変態みたいだけど。気をつけて」
「うっかり者の女房みたいなお前でも愛してる」
(シリウスマン、飛んでいく)
「海パン一丁で空飛ぶ君だけど、私も愛しているよ」