麗しの島、台湾。人々の心をひきつける、その魅力いっぱいの台湾。ここでも、いろんなことに
出会い、それが時には恐怖の体験となることもある。
さて、台湾の鉄道は日本統治時代の蒸気機関車が牽引する列車に始まり、いまや島を
一周する環島鉄道となっている。西部幹線すなわち基隆から台北・新竹・台中・台南
・高雄に至る路線と、東部幹線すなわち台北から北回りで宜蘭・花蓮から台東に至る
路線、それを繋ぐ南廻鉄道からなっている。
台湾鉄道の通勤型主力である
型。韓国製の電車である。
最近は台湾で鉄道に乗るチャンスが少なくなって、さびしい限りである。以前は出張に行った
際によく利用していたが、台湾に行くチャンス自体少なくなっているので、一年間に1〜2回
しか乗らなくなってしまった。さて、数年前の台湾鉄道の話。台北から台中までの、西部幹線の
自強号に乗った時のこと。台湾鉄道は、この自強号が一番はやい列車である。その日は理由は
不明だが既にかなり遅れが発生していて、予定時間を過ぎて台北を出発したにもかかわらず、どんどん
遅れていくのである。前に他の列車がつかえているのか、なかなかスピードが出ないので、途中の新竹で
既に40分以上の遅れが出ていた。ずっと景色を見て過ごしていたのだが、ちょっとうとうとしかけて、ハッと
気が付いて外を見て ビックリ!!! なんと私たちの自強号と同じ方向に別の普通列車が走っていた
のである。 それも、こちらの自強号は右側走行つまり、反対側の下り線の線路を走っているではないか!!
夢でも見ているのかという感じであたりを見回しても、誰も驚いていない。平然と外を眺めている。
ということは、普段からこういうことがあるらしい。しばらく、右側を走っていたかと思うと、次の駅で
いつもの左側走行にもどったところをみると、どうやら、遅れを取り戻すために駅と駅の間で普通列車を
特急が抜かすという荒業をやったと判明。さすが、台湾!本当にビックリの出来事でした。