A. 頭・体幹
<椅子に座って正面を向いた姿勢>
- 頸の前後屈 図1
- あごを引き、胸を見るように下を向く。
- 痛みのない範囲で頭を後ろに倒す。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
- 頸と体幹の回旋 図2
- 胸の前で両手を組み、そのまま上半身を右側にできるだけ
ひねる。その時、頸も一緒にひねる。
- 左側へも同様に行う。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
- 頸と体幹の側屈 図3
- 左手で椅子の座席の端を持ち、右手が床に着くよう身体を
をできるだけ右側に傾ける(手が床に着かなくても良い)。
その時、頸も一緒に傾ける。
- 左側へも同様に、右手で椅子の座席の端を持ちながら傾ける。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
- 体幹の屈曲・伸展 図4
- 四つん這いになり、頭を両腕の間に入れた位置で、
背中を出来るだけ丸める。
- 頭を持ち上げ、背中を出来るだけ伸ばす。
- 以上を深呼吸をしながら数回繰り返して行う。
- あごの運動
- ゆっくりと大きく口を開け、ゆっくり閉じる。
- 繰り返し数回行う。
B. 肩関節・深呼吸
<椅子に座って正面を向いた姿勢>
- 肩回し 図5
- あごを引き、両手の指先を肩へつける(肩の痛みが
強い場合は、両腕を下に垂らした状態で行う)。
- 肘を横に広げ、ゆっくり肘を大きく回す。
- 以上を数回繰り返して行う。
- 深呼吸 図6
- 頭の後ろで手を組む(肩の痛みが強い場合は、
両腕を下に垂らした状態で行う)
- ゆっくりと肘を両側へ開きながら大きく息を吸う。
- ゆっくりと戻しながら息を吐く。
- 以上を数回繰り返して行う。
C. 股関節
- 股関節の回旋
<ベッドか床に仰向けで寝た姿勢> 図7
- 両膝を曲げ、足の裏を床につける。両腕を天井に向かって前に
伸ばして指を組む(両腕が辛ければ床に下ろしたままでよい)。
- 両膝をそろえて、股関節や腰が伸びたと感じるくらい右側へ
傾ける(この時、左側の臀部が床から浮いてもよい)。
- 3〜5秒保持した後、ゆっくりもとの位置まで戻す。
- 反対側も同様に行う。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
<椅子に座った姿勢> 図8
- 足は肩幅程度に開き、手を両膝にのせる。
- ゆっくりと膝を外側に開く。
- 3〜5秒保持した後、ゆっくりもとの位置まで戻す。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
- 股関節の伸展 ※頸部の動きが悪い場合は行わない
<ベッドか床に仰向けで寝た姿勢> 図9
- 両膝を曲げ、足の裏を床につける。
- 出来るだけ高く臀部を持ち上げる。
- 5秒間保持し、その後ゆっくり下ろす。
- 以上を同じ回数、数回繰り返して行う。
- 股関節の伸展(可能であれば) 図10
- ベッドか床にうつ伏せになり、10分ほどその姿勢を保つ。
- うつ伏せ姿勢が苦しい時は、楽なように上肢や片膝を曲げたり、
クッションや枕等を利用したりするのもよい。
参考文献
- 米国脊椎炎協会編、日本AS研究会訳、率直な脊椎炎の話、1992
- 日本AS友の会、強直性脊椎炎 〜療養の手引き〜、1998
文責
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院リハビリテーション室
|
|
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
|