〔寄稿〕

こころに響いたウエディングベル!!


長崎  Y


 長崎ハウステンボスで開催された日本AS友の会「第15回記念大会」で、 ウエルカムトークということで講演をされたYさんを 覚えておられる方はいらっしゃいますでしょうか? 2005年11月のことでしたが、早いもので、 あれからもう8年になろうとしております。 まだ田中前会長もお元気に参加されておりました。


 そのYさんが、このたびめでたく結婚されました。 お相手は、Yさんが会長として活動されていた 「長崎盲ろう者友の会・あかり」の仲間の方で、 Yさんと同じく目と耳が不自由なFさんです。 いくつもの障害を抱えながら、 持ち前の頑張り精神でマッサージ技術を習得され、 現在は佐世保市内の自宅近くで治療院をされています。


 同じ障害を持つ者同士として、 盲ろう者の集まりの中で活動を共にして来られましたが、 幾多の困難、障害をひとつひとつ乗り越えられ、 不屈の闘志で愛を開花結実させたものです。

 多くの仲間に囲まれ祝福されてのお二人の結婚を祝う会は、 心からの笑いと感動の涙に包まれた文字通りの 「泣き笑い結婚披露」で、 出席者の方が明るく元気になり健康になったひとときであったように思いました。


 「無いもの、亡くしたものをカウントするのではなく、 二人だからできること、 まだやれることを見つけチャレンジしていきたい。」 との二人の心意気に、 出席者が勇気づけられ元気を貰った集いでした。

 Yさんは見ることも聞くことも話すこともできませんが、 食事の準備や洗濯など主婦としての家事を何でもこなしています。 パソコンを操りインターネットやメールなども活用されています。 パソコンの文字を立体的に点字に翻訳する機械を通じて 自由に使いこなせるようになったそうです。

 「少しの訓練と周りのちょっとしたサポートがあれば、 健常者とまったく変わらずに何でもできる」 ことを知って欲しいと言われてました。


 これからは二人のこころで見て、 二人のこころで聞いて、 二人のこころでお喋りをしていくのかなぁと思いながら、 ほっこりとした幸せな気持ちで会場を後にしたことでした。

 何も見えず、何も聴こえず何も話せなくても、 ほかの誰よりも濃密で豊潤な時間が二人の問を流れていくのでしょう。 お二人の前途を祝福したいと思っております。

(代筆 熊本 Y)



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