K.S.氏「俳句」遺作集



霧中より かっこうの声 尾瀬の朝

紅葉より 出づる白糸 滔々と

健康を 歩く夫婦に 露光り

丹精を 込めて小さな 菊開き

菊開く 母の面影 重なりて

鐘一つ 一つ宛つき 我と妻

臥す床の 窓辺に冴える 寒の月


〔詩〕

富士霞む 砲煙の彼方

空に舞うヘリ 地を駆ける戦車

砂塵を巻き 轟音を残し

砲声一発 天中を裂く


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