僕の親友AS君

K.S.


 原稿、原稿と再三せっつかれて、恥をかくのは得意の私でも字を 書くのは大の苦手、まして文章にするなどもってのほか、ここ数年書く のは専ら「ワ−プロ」に任せっきり、この文明の利器は上手に字を 書くし、私の知らない漢字もしっかり覚えている「おりこうさん」、 おかげで私の頭の中にあった字もどんどんそちらへ引っ越して、代わりに 私の頭の中がどんどん空洞化していくのが良くわかる。しかし、この 「おりこうさん」も自分で考え自分で書く能力は無く、私が教えて やらなければ何も出来ないやっかいな代物でもある。

 さて、話が脱線してしまったので本題に入ろう。我らの親友「AS君」 の話へ。この「AS君」、何も私が呼び寄せたわけではないし、好んで 握手したわけでもない。いつからか、勝手に私の中に無断侵入して強引に 住みついてしまった「居候」だ。最初の頃は、追い出そうと一生懸命努力 もしたが、なにしろこの「AS君」、心臓が強く、強引で粘り強く手に おえる代物じゃなかった。出ていくどころじゃない、ジワリジワリと その居住権?を勝手に拡大して「家主」に迷惑をかけることは大変なもの。

 私の二十歳頃に、膝の関節に侵入してきて以来四十年程になるが、 今は、腰椎、胸椎、頸椎と、ほぼバックボ−ンを支配下に収め、 右股関節も占拠して、今や左股関節、肩、肘、指等々、ほぼ全域に その居住権を主張し拡大してくる手におえない「居候」だ。

 さて皆さん、このように理不尽な「AS君」だが、今の所、これを 追い出す方法は残念ながら見つかっていない。仕方無く今の所、 この無法者の「AS君」とは嫌でも永い永い付き合いをしなければ ならないのだから、それならばこの「居候」に困っている人達が一人でも 多く寄り合って、この「居候」と少しでも「気持ち良く」付き合う方法を 話し合い考えるのもいいのではないかな?

 一人でくよくよ考えていても決して良い結果は出ないような気がするし、 人生暗くならないかな?。この「AS君」について、詳しいドクタ−の話 や指導も受けられるしね。他方で、そうした「AS君」退治に熱心な ドクタ−に資料を提供して、「AS君」退治の研究に協力するのも大事な ことのように思える。

 そして、もう一方で大勢の「AS君」が集まる事で、現在東京都だけ しか認められていない「難病指定」も国として認められようになるのでは ないかな。このやっかいな「AS君」退治の方法がみつかるまでは、 一生でも付き合わなければならない私達が「難病指定」を受けられれば 治療に対する経済的負担はかなり軽くなるはず。

 「不幸中の幸い」と言うか何と言うか、この「AS君」に「癌」 のように命を取られる心配は無い、ということ。反面、一日と言えども 「痛み」を忘れる事もない。

 さてさて、この意地悪の「AS君」にとりつかれた皆さん、毎日如何 お暮らしかな?

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