カナダのブリティシュコロンビア州の患者会の会報「BACKBONE」が、
年に4回事務局に送られてきますが、いつも有益な情報が散りばめられています。 今回届いた「冬号」は、ASに関する最新の情報がまとまっており、 また、日本AS友の会の定期総会ではしばしば出た話題も掲載されていますので、 会員にとっては、大変有益な内容と思われましたので、発行者の許可を得て、 その邦訳の全文を掲載致します。 翻訳をして下さったベルカ・佐都子様に感謝致します。 原文は表現がむずかしい箇所が多々あり、 理解を深めるために私が追訳・意訳をした部分もあります。 すべて正確な訳でない可能性もありますがご了承下さい。 なお、〔 〕内は私の注釈です。 事務局長 井上 久 2004年12月2日、ブリティシュコロンビア強直性脊椎炎協会 〔患者会・ASABC〕は、 同年にテキサス州アントニオで催された2004年度の アメリカ・リウマチ学会で発表された演題について 話し合うために会合を持った。 この五日間のリウマチ学会においては何千もの発表が行われた。 いくつかは講演形式、ポスター展示、ワークショップ形式などであった。 ほとんどの種類の関節炎についての発表があり、 特に、この2004年度の会議では、脊椎関節炎についての発表が多かった。 そこで発表された疾患には、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、 ライター症候群、若年性強直性脊椎炎のような脊椎を含む 炎症性関節炎が含まれていた。 最近の研究において何が起きているのか?。 北米、オランダ、ベルギー、ドイツのハンブルグで、 おそらくかつてないほどに多くの研究がなされ、 ASの対処法に関する最新の研究およびその進歩は、 炎症性疾患の活動を調整するより良い薬の発見・開発と、 そして遺伝学という2つの分野においてのものである。 非ステロイド系抗炎症剤は、炎症のコントロールの出発点である。 もし、それで病状が持続する場合、 サラゾピリン®〔アザルフィジン®〕のような 他の薬の使用が考慮される(二次選択剤)。 メトトレキサート〔リウマトレックス®〕もこの種の薬と考えられ、 厳密な病状診断に基づいて使われている。 最新の薬は、レミケード®(注射剤)、 ヒューミラ®(皮下注射剤)や エンブレル<sup>®(皮下注射剤)などの 生物学的製剤もしくは抗TNFαと呼ばれるものである。 バンクーバーの関節炎研究センターのリウマチ専門医である Kam Shojania博士は、この種の薬では最も新しいヒューミラ<sup>® を使用している。 バンクーバーの他の施設においても関節リウマチへの本薬剤の使用については、 すでに研究がなされている。 しかし、カナダではヒューミラの使用はまだ認可されていない (こうした決定を下すHPBでは現在検討中であり、 レミケード<sup>®への資金助成は差し迫って要求されている)。 このASABCの会合で、Bruce Clarkeは、 新しい仕事に就いたばかりのため最低賃金で働いている ある青年の話をした。 彼に必要な薬は抗TNFαの一種で、 その費用は年間22,000ドルもかかる。 最低賃金で働く彼には、明らかに手が届かない。 働き始めたばかりの会社に、これだけの費用につき、 会社の医療保険でまかなうことになることを告げたら、 会社は彼を雇用したがらないであろう。 彼の母親は彼が学校へと戻り、家で家族と暮らしたら、 彼女の保険でカバーできる(被保険者になれる)のではないかと考えた。 彼女の保険契約書には、扶養者が22歳以上であっても、 家に同居している学生である場合、 医療費は彼女の保険でカバーされると記されている。 しかし、彼女は息子がこのような医療状況におかれていることを 申告しなくてはならないのだろうか。 そうすると彼は母親の保険を使えるのだろうか。 母親の保険契約の審査の際には、 彼はASとの診断は受けていなかったのである。 これは多くの人に共通するジレンマである。 結果として彼の人生における決断やキャリア〔就業計画・人生設計〕は 彼の財政状態に大きく依存するものとなるのである。 これらの新薬がカナダで認可されれば、 それらはメディケア〔公的保険〕が負担するものとなるであろう。 ある人々は全医療費の8割が保険で出る民間の保険に入っているが、 それでも年間4,000ドルほどは自分で負担しなければならない。 抗TNFαによる治療の場合、お金がかからないという選択肢はなく、 とにかく高いのである。 しかし、この薬には劇的効果があり、人々を職場に復帰させ、 医療機関に頼る機会を減らすという意味では 何百人もの人々を救っているのである。 高額ではあるが、これらの薬は特殊(稀な)なケースに対して使われている。 例えば、AS患者はおよそ全国民の0.2%程度いて、 実際に薬が必要になると思われる患者は そのうちの10%以下にとどまると予想され、 人数にすると、かなり少なくなるであろう。 同様のことが16歳以上の全国民の2%が患者であり ASよりもはるかに患者数の多い関節リウマチにもあてはまる。 つまり、これらの新薬を実際に使用する患者の割合は 極めて少ないものと推測される。 最近の研究で注目されているもうひとつの分野は遺伝についてである。 70年代の初め、血液型が異なるように、 組織型〔組織適合抗原HLA)も異なるタイプがあることが発見された。 1973年、イギリスのDerek Brewarton 医師は、 彼の組織型に関する研究結果から、 どのタイプの関節炎が同じ組織型のグループに集中するのだろうか考えた。 ASは、この関節炎の形と組織型との相関・関連性というテーマに関して 恰好の材料となる疾患であった。 彼は、AS患者たちの比較対照となるようなASでない人々の 組織型を分類する仕事に着手した。 一般の人々のうち8%のみがHLA−B27型を持っていたのに対し、 研究のために無作為に選ばれたAS患者のうち92%がHLA−B27型持っていた。 Brewerton 医師は、この病気における遺伝的要因を 初めて発見したのである(ただし、HLA−B27を持っている人が 必ずASということではない)。 我々にとって幸運なことに、他のどの病気も、 ASのように顕著に遺伝的相関関係(疾病と組織型すなわちHLAの型) を示さないため、彼はAS患者を研究の対象に選んだ。 ただし、こうした遺伝標識〔HLA型〕を持たなくても 病気を持つことがあり、また標識を持っていても病気にはならないこともあるので、 標識の有無を調べることは、あくまで検査であり診断とは言えない。 しかしこれはパズルに加えるべき1ピースのように 確定診断への検討材料にはなり得る。 この標識〔HLA−B27〕を持つ場合、 5人に1人は病気になる可能性を持ち、 逆に言うと5人中4人は病気にならないということになる。 1973年にBrewerton 医師がこの研究に取りかかっていたころ、 ロサンゼルスでも、もう一人、リウマチ専門医Rodny Blueston医師が 同じ研究を行い、同じ結果を得ていた。 健康な白人がHLA−B27を持つ確率は8%であり、 健康なアフリカ系アメリカ人では4%、AS患者全体では92%、 アフリカ系アメリカ人のAS患者では50%という結果である。 通常1年ぐらいで治る1つか2つの末梢関節を含む 一過性の脊椎炎を伴うライター症候群では80%、 炎症性腸疾患を併発するAS患者では60%、 乾癬性関節炎では60%、前部ぶどう膜炎では50%、 これらどれにもあてはまらない分類不能型の脊椎炎の 患者においては20〜25%という陽性率であった。 遺伝研究の分野で第一人者である テキサス州ヒューストンのReveille博士は、 HLA−B27のような標識をさらに詳しく調べようと、 我々人間を構成しているDNAである ヒトゲノム〔遺伝子多型〕を研究している。 他の多くの研究者の協力を得ながら、 Reveille博士は、HLA−B27と さらにその細分化された部位(亜型)について研究している。 脊椎炎は同家系内に集まる傾向にあり、 このことはかなりの割合でHLA−B27に関連している。 ある集団における脊椎炎患者の人数は、 HLA−B27保持者の人数に比例している。 しかし、一般人におけるHLA−B27の型を持つ人の数は 脊椎炎〔AS〕患者の数よりもはるかに多い。 これは、他の遺伝的要因もAS発症に働いていることを示している。 そのうちのあるものはHLA−DRとされており、 このことは多くの研究において分析を混乱させている。 ゲノム〔遺伝子多型〕の広範囲な分析により、 ASでは染色体の上の2q, 6p, 6q, 10q, 11q, 16q, 17q そして19q に、 乾癬では4, 6p, 17q に、 そして炎症性腸疾患では7q と16q の位置に 発症関連遺伝子が乗っていることが推測されている。 エドモントンのMaksymoych 医師もまたReveille 医師と共に ASの兄弟、姉妹やその他の家族(父、息子、兄弟、姉妹など) を調査している。 このプロジェクトは数年にわたり、カナダ、全米で進行中であり、 アメリカの脊椎炎協会にも後援されているものである。 ASに罹患している人の家族から採血され、 血縁者に多く発症する病気の元となる共通の関連性〔遺伝子〕を 捜そうと研究しているグループに送られ、 こうした病気を持たない一般の人々と 遺伝子的にどう異なるのかを調べている。 ところで、会議の中で、出席者から、以下のような質問が出され、 ちょっとした議論となった。 「HLA−B27の検査を受けるべきでしょうか?」 Bruce 医師は次のように答えた。 「自分が既にASを持っている場合、 このテストを受けることに意味はありません」 質問は続いた。 「子供たちに関してはどうでしょう。 自分の子供たちには検査を受けさせるべきでしょうか?」 Bruce は再び答えた。 「いいえ、その必要はありません。 そこから何を学ぶことができるのでしょうか。 検査の結果からなにか違った行動をとれますか。 HLA−B27を持っていてもASにならないこともあるし、 ASがあってもHLA−B27を持たない場合もある。 これらは〔HLAの型〕はあくまで標識であって、 診断ではないとをうことを覚えておかなければなりません。 たとえば、あなたに12歳の息子がいて痛みを訴えたとする。 そしてあなたがAS患者であれば、 検査を受けることは有益かもしれない。 その若者がASである可能性の1つとはなり得る。 しかし、おそらく、1人1人の患者がどんな治療がなされるべきか ということに関してはなんの影響も生じない。」 診断は、病歴や理学検査、X線写真といった臨床診断により おおかたは下されるもので、HLA−B27型を持っているか否かは、 ASがどのように治療されるかということには影響を与えない。 X線写真や各種検査でASと診断を受けてもHLA−B27を 持っていないもしれない。目の検査を受けて、虹彩炎が見つかり、 そこからASの診断に至る場合もある。 胃腸病の専門医に行って、炎症性腸疾患と診断されたことから 同様な結果に至ることもある。 HLA−B27の検査は強直性脊椎炎の診断を確定するものでも、 除外するものでもない。 また、アメリカリウマチ学会において、 アメリカのペンシルバニアとイギリスのマンチェスターの グループによるポスター発表で、AS患者において 心筋梗塞発症の危険性が高いということが明らかにされた。 このようなAS患者で心筋梗塞の発症の危険性が高いということは、 喫煙のような伝統的な要因だけでは説明できない。 それゆえ、炎症というものが心筋梗塞の発症要因と なっているとの仮説が成り立つ。 一方、ASと慢性心臓病の関係は以前から知られており、 大動脈炎がASに合併し易いことは有名である。 炎症により弁組織が腫れるという形で大動脈弁に 影響を与えるのである。 炎症が治った後に弁組織は伸びた状態のままとなり、 大動脈弁の漏れを起こすと考えられている(心臓の雑音が起こる)。 この研究は、5,392人のAS患者と 10,772人のASも心筋梗塞も持たない一般の人々を対象として行われた。 一般臨床医によりAS罹患を確認された人は、 一般の人々に比べ高い確率で心筋梗塞を発症していたが、 AS患者と一般人との間で、どのような危険要因の違いがあるのかは、 現在のところ説明できない。 しかし、(心臓の)冠動脈疾患はまだ知られていない ASの合併症となる可能性はある。 かつて、AS患者の男女比は男性9人に対し女性1人だと思われてきた。 現在ではその率は男性3人に対し女性1人となっている。 性別がどうであれ、ASを持っているならば、 ASとの最良の共存方法を学ばなければならない。 身体機能、身体的問題による労働制限、身体の痛み、 総合的な健康認識〔健康であるとの実感〕、活力、社会適応力、 精神的問題による労働制限、そして精神衛生という 8つの尺度(SF36指数)を使って、 健康に関するquality of life 〔QOL.人生・生活の質〕 に対するASの影響を見る調査が行われた。 結果として、一般の人々に比べAS患者はSF36の指数がかなり低かった。 RA〔関節リウマチ〕、うっ血性心不全、糖尿病を含む 他の多くの慢性疾患において予想されていた影響を、 はるかに上回るものであった。 一般の人々が身体機能に81の指数を示しているのに対し、 ASグループにおいては46.2と大きな差があった。 身体問題による労働制限においては一般の人々の77に対し、 AS患者は33であった。 精神衛生に関しては、一般の人々に対してASグループは 比較的高い数値を示しており、一般グループは74に対し AS患者は68である。 これらのことから、AS患者は一般の人々に比べ、 健康に関するquality of life (QOL)は かなり低いと感じていることになる。
*PF:身体機能 RP:身体的問題による労働制限 BP:身体の痛み GH:総合的な健康理解 VT:活力 SF:社会適応力 RE:精神的問題による労働制限 NH:精神衛生 この調査において、これら機能制限の要因には、 ASの「罹病期間」が大きく関わるという結論が出されている。 ASに20年以上も患っている人はかなり高い割合で機能的問題〔障害〕 を抱えている。健康に関するQOLは、 喫煙などAS以外の不健康な要因を伴う場合にはさらに低くなっている。 AS患者にとっては、教育もまたQOLに大きな役割を果たしている。 一般に、高い教育を受けた人は座ってできる仕事に就いており、 教育レベルの低い人は肉体労働(持ち上げたり、かがんだり、運んだり) に就いている。 機能障害(例えば、棚に物を持ち上げるなどの作業が出来ないこと)は、 肉体労働者や喫煙者などの不健康な生活習慣を持っている人にひどく、 教育レベルの高い人や、家系的にASを持つ人々にとっては それほど深刻なことではない。 何年も前は、ASと診断されるまでに長い時間がかかったが、 早期診断や適切な治療は日々改良されている。 「20歳でASと診断され、それ以後の人生を薬による治療に 頼って生きるのは良いことなのでしょうか。 私はVioxx 〔CoxⅡ阻害剤・非ステロイド系抗炎症剤〕を 毎日服用していましたが、鍼〔はり〕治療のおかげで 今は全く服用していません。 なぜ医療機関は鍼治療をもっと推奨しないのでしょうか?」 とある人が尋ねた。 Bruce は次のように答えた。 「鍼治療は痛みの調節という意味では有効であるということで知られています。 ただ、鍼治療は炎症による病気をコントロールする働きは持たないので、 あくまで痛みの調整が目的ということに限り、 治療として適切であると考えられるでしょう。 しかし、炎症による背中の痛みにとって最終的な目的は、 炎症そのもののコントロールであり、 炎症から二次的に生じる関節の傷害〔損傷〕を 抑えることであることを忘れてはなりません。 この過程において、痛みとは1つの兆候なのです。 ほとんどの場合、効果的に炎症をコントロールできれば、 痛みもまた調整可能なのです。 医療関連団体は最も有効と思われるところに投資します。 そこで、鍼治療の研究に誰が金を使うべきかという問いは、 鍼治療を行っている人々が自分たちの治療法に対する理解を深め、 自分たち自身で自問〔検討〕することが期待されているのです。」 また、あるグループも次のようなコメントもした。 「ほとんどの薬物療法は病気の原因ではなく、 病気によって引き起こされた病態に対処するものだと思われます。」 Bruce は言った。 「私たちはその原因を知らないのです。 しかし我々は薬物療法が病気を治すのではないけれど、 病気の進行を抑えるものであることは知っています。 薬物治療はしばしばQOLを向上させます。 またASが一時的に鎮静状態を保つ場合もあります。 ASの症状をコントロールすることは、 QOLを規定する健康を向上させます。 薬物治療はASの症状に対処し得る方法の1つに過ぎないのです。 治療は運動や生活管理を伴う多方面にわたるものでなくてはなりません。 しかし痛みが激しい場合には、痛みの調整〔制御〕が行われない限り、 運動することは難しいでしょう。」 それから、Bruce は薬物治療に関するいくつかの研究について話した。 ドイツの研究では、レミケード®(商品名で抗TNFαの一つ、 薬品名はインフリマキシブ) を服用していたAS患者が 3年間の継続的な治療の後、薬の服用を中断した結果、 患者のうち3分の2が数週間の後、病気を再発し、悪化させることとなった。 このことは、大部分の患者がレミケード® による継続的治療を必要とするということになる。 ドイツから出された24ヶ月以上経過を見た研究でも、 活動性のASに対するエタネルセプト®〔抗TNFαの一つ〕 に関して同じ結論が出た。 彼らによれば、大部分の患者は治療の継続を求めており、 この薬は進行性のAS患者に有効で、安全な治療であったということである。 しかし、我々はどうすれば、「病気が現状を維持しているだけなのか、 それとも良くなっているのか?」を知ることができるのであろうか。 この問いへの単純な答えは実際にはない。 Bruce は次のように答えた。 「この質問に普遍的な答えはなく、全ての人は1人1人異なります。 ASの病型は通常初期に規定され、初期に良い状態を保っていた人は その状態が続く可能性が大きいのです。 また、一方で、初期に、痛みや硬直を伴う深刻〔重篤〕な問題があり、 薬物、非薬物、その他あらゆる治療によってもあまり効果がないようであれば、 今後ずっと、対処・治療が困難な重症となるかもしれません。 しかし、現在は、先に述べたような新しい治療法で、 重度のASでさえコントロール可能になりつつあります。 しかし、何人かの人々は脊椎が強直してしまいます。 でも、完全に強直してしまうと、多くの場合痛みはなくなります。 治療の目指すところは、できるだけたくさん長く動ける状態を保つことです。」 Bruce はさらに語った。 「AS患者は骨折するリスクが増しています。 身体が強直して動かないということが骨粗鬆症を起こす原因となることがあります。 余分な骨の増殖〔骨化〕は身体を強直させますが、 逆に動かないということは骨を弱らせ〔骨粗鬆症〕、骨折の危険を増すのです。 もし骨密度が低く、骨粗鬆症であるならば、 骨折を避けるいくつかの方法があります。 まずカルシウム、ビタミン〔特にビタミンD〕などを摂取し、 運動して骨に負荷をかけることです。 骨密度を増やす薬も市販されています〔日本では病院からの処方のみ。 ダイドロネル®、ボナロン®、 フォサマック®、アレディア®など多数〕。 AS患者のジレンマの1つは、余分な骨〔骨増殖、靱帯骨化・強直化〕が 脊椎の周りにできることであり、それが通常の脊椎の骨密度の 定量検査を不正確なものとして〔計測上見かけの骨密度を高くさせてしまう〕、 骨の密度、すなわち骨強度を測定しずらくしてしまうことです。 それから、もし、あなたがかなり強直したと感じているなら、 スキーや体の衝突の危険を伴うスポーツは避けたほうが賢明でしょう。」 以上は、2004年のACR〔アメリカリウマチ学会〕の学会で 論議された話題のほんの一部である。 最近ではこうした情報へのアクセスもインターネットを通じて容易になった。 ウェブ上ではNational Institute of Health〔NIH〕のサイトなどで、 すばらしい研究結果を見ることができる。www.google.ca または他のエンジンを使って公共のサイトへのアクセスも可能である。 最新の医療記事を見つけ出すことは容易ではないが、 1つの手段としてPub Med というサーチエンジンがある。 これは、NIH(www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez) の一部門である、 National Library of Medicine(NLM)が提供している。 我々にとって何が最適の治療であるかを見つけることは容易ではない。 最先端の医療、その他の選択肢、または代替医療 〔東洋医学、民間医療その他〕など、新しい治療を考える場合、 いくつもの自問自答〔質問〕を行うべきである。 これらの質問はスタンフォード大学のKate Lorig博士の 慢性疾患自己管理プログラムからのものである。 このプログラムは世界中の多くの国で、様々な言語で取り組まれている。 以下がその質問例である。
ASの治療〔療養〕は多方面から立ち向かっていくのもの であることに疑いの余地はない。我々はみな一人ずつ異なり、 薬物療法を含む様々な治療に対して異なる反応をする。 だからこそ、我々は情報を常に持ち、 自分たちの病気について可能な限り学び続けることが大切なのである。 おわりに、常に最新の研究と治療で ASABC(ブリティシュコロンビア強直性脊椎炎協会)のメンバーを リードし続けているBruce Clark 氏に感謝の意を表したい。 Bruce 氏はASABCの創設会員(1983年設立)である。 また、この会報作成・発行へのご尽力、専門的なアドバイス、 協会やメンバーへの惜しみない支援に、協会を代表して感謝を申し上げたい。 ありがとうBruce。あなたの力無しに我々はここまでくることはできませんでした。 アン・レディック ASABC(ブリティッシュコロンビア強直性脊椎炎協会)事務・編集委員 |