その1
AS患者では、脊椎が曲がらず、また脊髄の後ろにある膜も肥厚・
骨化していて、脊椎(腰椎)麻酔の針が刺さりにくくなっています。
知らないお医者さんも多いので、手術(たとえば足の骨折、虫垂炎、
痔など)を受ける時には、予め伝えておきましょう。
その2
AS患者がムチウチ症になると重症になります。自動車に乗る時には、
後頭部を枕か背もたれにできるだけ密着させておきましょう。
その3
AS患者の1/4〜1/3に
虹彩炎(ブドウ膜炎)が合併します。急に目が痛くなったり
(全く痛みのない人もいます)、充血したり、やたらに眩しくなったり、
涙が多くなったり、そして視力が一気に低下したら、すぐに眼科に
行きましょう。早期に適切な治療が施されれば、決して怖い病気ではなく、
また失明の恐れもありません。
その4
落ちた物を拾うのが困難なAS患者には、医療器具(リーチャー¥7,000)
よりも、トーイボックス社(Tel. 03−3844−7216)から発売されている
オモチャ“アイアンハンド”の方がずっと安くて(¥1,000)便利!。
その5
AS患者さんが、他の病気にならないという保証はありません。特に、
ASの痛みと紛らわしい疼痛性疾患(たとえば自然気胸、腎臓結石、
腎盂炎、骨癌転移など)の発見が遅れがちになります。従って、35才を
過ぎたら年に1回は、全身チェックすなわち人間ドックに入って余病発見に
努めるべきです。その際には、AS患者用特別検査メニューとして、
ブドウ膜炎、尿路結石、大腸疾患などのチェックも依頼しましょう。
その6
ASはじっとしていてはいけない数少ない病気のうちの一つです。
運動することによってむしろ痛みは軽減するはずです。職場でも家庭でも、
できるだけ体を動かしましょう。
長時間座位をとらなければならない仕事の人は、できるだけ肘掛けの
ついた、垂直に近い背もたれの、そして前後に浅くまたクッションが
硬めの椅子を使い、15分〜30分おきに全身の屈伸運動を心掛けましょう
(特に脊柱の伸び)。昼休みには20分くらい硬いベッドで臥床すること
も勧められます。また長距離ドライブ中には、30分に1度は停車し、
車外に出て運動をしましょう。
コンタクスポーツ(格闘技など相手と直接接触する種目)以外なら、
何でも良いですから、医師と相談しながら、積極的にスポーツに取り組み
ましょう。精神衛生上も決して悪いはずがありません。
(ASA患者用手引き書より)
*会員の皆さんの個々の体験に基づくAS療養上の知恵や工夫を、
この欄に掲載して行きます。奮ってご投稿下さい。