2006年3月4日(土)
 


△▼3/4のゼミ▼△


本 日の作品

長編シナリオ     1

出席者: 女 3   男 2


 久しぶりの少数精鋭。女性の方が多かったのは、何ヶ月ぶりか。
桃の節句も終わって、ようやく春の陽射しだ。
 作品は、シナリオ一本だったので、時間をかけてじっくり検討した。



1.小沼シナリオ「夜明け前」(第2稿)
 (400字換算148枚)

 新聞配達の少年の妄想と幻想の物語。その第2稿である。だがすっかり様変わりしている。
 新聞配達先の謎の女、牛丼屋のウエイトレス、風俗母親の娘、そして幻の母親、少年の妄想相手の女はそのままだが、少年の相方となる人間が全く変わってい る。爆弾オタクの若者は消えホームレスの老人が重要人物として配置されている。
 これらに作者の特性はよく現われているのだが、一番違うのは、登場人物がよくしゃべることだ。
 どういう心境の変化か、これまでの作品では、セリフは軽やかにキャッチボールされるというよりは、それぞれの想いが吐き出されるようなセリフで、それぞ れがかみ合っているとはいえず、それがいかにも作者の個性であったと思うのだが、この作品は何かのタガが外れたように饒舌である。しかもその中身はドラマ を深めるというものではなく、とても説明的なのだ。作者の中でなぜか厳密さを放棄した規制緩和のせいか、といったら、時次郎師に、「規制緩和」とは言いえ て妙とほめられた。
 さて、それ以上に、構成に問題があった。
 混乱を楽しむ作品か、という辛らつな感想があったが、それは、P11からP34までが、主人公の少年の夢だというせいだ。「エーッ、夢だったのー!」 と、裏切られた思いだという批判が巻き起こった。
 「現実の設定と人間関係をそっくり夢の中に持ちこんではいけない」
 「夢であることの意味は何か」。
 これは本質的なことだから、しっかりと考えなおしてみよう。
 最後に、かつて「これは母を恋うる物語である」と喝破したKさんの指摘をもう一度かみしめるように、という時次郎師の言葉が締めとなった。




 アフターは、前回と同じく「天狗」に直行した。開店前だったが特別に入れてもらう。
 ただし、注文は時間まで待ちだという。おとなしくしていると、やがて向こうから大声が響いた。見ると、従業員がズラーッと並んでの「朝礼」だ。一人ひと り大声で今日の目標を言っていくのである。その一言一言にみんなが気合で応えていく。
 はじめはなんだか照れくさく滑稽な感じだったが、当人たちは真剣だ。いつの間にかこっちもその真剣さに感化されていった。朝礼が終わると、一斉に仕事は じめで注文をとりに来る。いつもと違う親しみを覚えた。
 しかし、こういうことを毎日しなければならないとは、アルバイトも楽ではないな、と感心した。うちもゼミの前にやったらどんな風かなあ、などと密かに 思ったりしたのであった。






次回の定期ゼミは、2006年3月18日(土)です。


東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、いつものように、13:30〜17:00

教室が変わる場合があるので、入り口のボードで確認してください。

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今までにみんなの書いたシナリオのリス トを整理してありますので、
それもご覧ください。

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