2003年10月4日、18日 (土)
 


今回は10月の2回分、一挙公開です。


△▼10/4のゼミ▼△


本 日のテーマ
・課題 ショートシナリオ   2
・自由課題  ショートシナリオ   1

ストーリー      1

  出席者: 女  2  男  6 


   
つわものどもが集まった。男性優位は変わらないが、出席するだけでなく作品提出も活発なの でうれしい。前回と違って一挙に4本。きょうは、本来的なゼミができて充実した1日であった。

 


○課題「駅」

1. 小俣作品「駅」(ショートシナリオ)

  別れようとしている女と未練たっぷりな男が、ホームで電車を待つ。別れの原因は男の浮気なのだが、「見送らせてく れてありがとう」「勝手について来たくせに」という二人のセリフに現われる関係がいかにも今的で面白い。この2行で男と女の力関係がわかると好評であっ た。セリフ・ト書きにも無駄がない。

  力量はしっかりしているので、もう少し長いものを書くようにしていきたい。

2. 岡作品「駅」(ショートシナリオ)

  同じ課題でも、全く違う設定である。
  大阪の電車のホームの売店を舞台に、その女主人と客(青年)との交流。

  女主人が病気になって代わりに若い女性が来る。もちろん、青年と若い女性の関係に話は展開するのだが、シーン展開 の飛躍も、ショートシナリオとしては心地よい。駅の売店に注目したのもなかなかである。また、関西弁が柔らかい不思議な雰囲気をかもし出していていい。

  これからも、こういうローカリティを生かしたドラマが出来るといいだろう。
   

○自由課題

1. 佐々木作品「風車」(ショートシナリオ)

  葬儀社の二人の話である。50過ぎの長と19歳の少年が、葬儀の準備をしている。故人の幼い子供をみていて、少年 は自分の幼い時代のことを思いがよぎる。幼児の将来に自分の現在を重ねて、邪険になったりやさしくなったりする。やや粗暴な少年の心の変化が面白いが、ま だ十分に描けたとはいいがたい。が、全体にかもし出す雰囲気はいい。
  少年を描くには、中年男のキャラクターを作るべきだろう。
  ホラーの味もあり、やや規定が難しい作品である。間接的な表現が多いがストレートに書いたほうがいい。シナリオを読むと難しいが映像になれば分かりや すいだろう。
  要約して伝えるのがかなり難しい作品なので、欠席した人で詳しく知りたいむきは、後日ゼミの日に作品をお渡ししよう。


2. 松原作品「地図」(スト−リー)

  地方都市の廃れ行く商店街への愛惜。テーマは、とても現代的である。
  おもちゃ屋をやっている男の息子が見つけた昔の町の地図。それはまだ商店街がにぎやかだったころのもので、彼が小学生の時に描いたものだった。その妻 は幼馴染。おもちゃ屋は経営不振で、今度の祇園祭を最後に店をたたもうと思っている。
  商店街の連中はみんな昔からのワルガキ仲間だ。魚屋の大将も幼馴染で仲のよいライバルだった。だが男の決断に反対で町を守ろうとしている。そういう二 人の子供たちは同級生である。大将の息子は男の娘が好きだが、素直になれない。
  親たちと子供たちの2世代のそれぞれのドラマが、近づく祇園祭を芯に展開していく。
  そして…。
  作者は浜名湖の近くの町に住んでいて店をやっているので、こういう題材は切実なものがあるのだろう。それだけに、着眼点はとてもいい。
  果たして商店街が再生するかどうか、思いだけではすまないものがある。
  幼馴染のライバルをもっと際立たせ男二人のドラマを中心に、子供たちの初恋の話にしたらどうだろう。祇園祭の一夜の話にしてはどうかという意見や、 「ニュー・シネマ・パラダイス」のように、一度故郷を出た人間が戻ってくるというノスタルジーな始まりがいいという意見もあった。色々な切り口があり、面 白くなる要素がたくさんあるドラマである。
  4月5日にやった楢崎作品「28年目の交換日記」が同じようなテーマで、故郷の町を舞台にスーパーをめぐって靴屋をやっている男と幼馴染たちの葛藤の ドラマだった。参照してほしい。


アフターゼミは、いつもと同じ2F。充実したゼミのあとなので、 ほっとする。ゼミではやらなかったが、長編シナリオが3本でている。子の他に提出予定のが2本ある。10月はコンクールの月なので、みんなの気合が入って いる。こっちが追いつかないくらいだg、それぞれメールを活用して意見交換をしているようなので、その成果を期待しよう。
 

△▼10/18のゼミ▼


本 日のテーマ

・自由課題 

長編シナリオ    1
ショートシナリオ  1



出席者: 男8   女2(事務長含む)




事務長含む、というとこがミソで,どこかにシナリオ娘、シナリオ 姐さんはいないものかな。
なにしろ,男性陣は腹にいちもつじゃなかった、胸に自信を秘めた個性派ぞろいで、男性ホルモンが充満し、多少中和しないと講師は圧倒されそうなのです。い けねえ、セクハラだった。
で、今日はアシモフさんが用事でお休みで、忠太郎ひとりのゼミでした。

〇自由課題

1.千葉作品「夏のぬけがら」(長 編シナリオ)

  400字120枚の力作だ。のっけから主人公の青年は、自殺の真似事にふける、おんりした人生流され派だ。
  しっかりものの恋人と上手く行くはずがない。30前にしてアチラのほうが時々ダメになり、
  あいそをつかされるのも当たり前。そんなベルモントふうが姉の娘(7歳)を預かることとなった。
  姉は男を流れ歩く開放派で、どこぞの男のもとへ行くらしく娘が邪魔になったというわけだ。
  そんな母親に育てられたせいか、娘もさるもの、へいきのへいざだ。
  と、ここまでくると想像つくだろうが、この娘はコマツシャクレで,感傷とは無縁の人生肯定派なのです。当然次の預け先に向かって二人の旅が始まる。そ の起伏に富んだ面白さはなかなかでした。
  特に,姉弟の両親が,初めて孫の顔を見て、ころっと態度を変えるとこなぞ、いけてます。
  まわし読みをして,皆さんおおむね好評だった。

2.井波作品「同窓会」(ショートシナリオ)

  舞台は九州・筑豊。50過ぎの男達が、同窓会で集まってくる。
  今や、かっての炭坑地帯の賑わいはなく、一同が口にするのはさえない話ばかり。
  おまけに男子高校で、ひときわ盛り上がりに欠ける。中には都会帰りもいて、福岡県は日本一犯罪の多いとこばってん、恥をかかされるわい、とか、部落も 多いからなあ、わしはどれだけ苦労したことか、なんてグチるのもいる。
  人生のたそがれが始まろうとする男達の哀歓。惜しい事に、そのとばくちで終わってしまった。主人公を作って、話しを煮詰めるのが次のテーマだ。


アフターゼミはいつものサテンで。
Jさんも事務長ご主人も駆けつけてにぎやかに。
ちなみに最近出た長編は、


K君「警視庁性犯罪課ー」
  奇抜な発想で笑ったの何の。今のご時世で,性の乱れを阻止するというテロリストが犯人というのが気に入った。
Uさん「青空」
  大学ラクビー部の群像劇。スポコンでもなく、青春賛歌でもなく、好きな事に今を賭ける若者の乾いたタッチがとてもきれいだ。
Jさん「わたしがここにいなくても」
  離婚まぎわの娘、そして、これまた関係が壊れかかている娘の老いた父と母。斬新な材料である。



 

 
 
次回は、2003年11月1日 (土)

東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、13:30〜17:00



 
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